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例題3

次の問いに答えなさい。

(1) 4つの整数があります。この4つの整数のうち3つを選んで和を求めたところ全部で 65 , 77 , 87 , 92 の4通りになりました。4つの整数をすべて求めなさい。

(2) 4つの整数があります。この4つの整数のうち2つを選んで和を求めたところ全部で 61 , 63 , 76 , 79 , 92 , 94 の6通りになりました。4つの整数をすべて求めなさい。

(3) 4つの整数があります。この4つの整数のうち2つを選んで和を求めたところ全部で 84 , 97 , 103 , 109 , 122 の5通りになりました。4つの整数をすべて求めなさい。

答え (1)15 , 20 , 30 , 42(2)24 , 37 , 39 , 55(3)39 , 45 , 58 , 64

解説

(1)

4つの整数を小さい順に A , B , C , D とします。

A+B+C=65 … 式1

A+B+D=77 … 式2

A+C+D=87 … 式3

B+C+D=92 … 式4


式1と式2をくらべると A+B にCを足して65 , A+B にDを足して77になっているので
DはCより 77-65=12 大きいことがわかります。


式2と式3をくらべると A+D にBを足して77 , A+D にCを足して87になっているので
CはBより 87-77=10 大きいことがわかります。


式4で B+C+D=92 なので線分図は下図のようになります。

B=(92-10-10-12)÷3=20

C=20+10=30

D=30+12=42

式1より A+B+C=65 なので A=65-B-C=65-20-30=15


別解

4つの整数を小さい順に A , B , C , D とします。

A+B+C=65 … 式1

A+B+D=77 … 式2

A+C+D=87 … 式3

B+C+D=92 … 式4

式1から式4をすべて足します。A , B , C , D はそれぞれ3つずつあります。

A+A+A+B+B+B+C+C+C+D+D+D=65+77+87+92

整理すると

(A+B+C+D)×3=321

左右を3で割ります。

A+B+C+D=107 … 式5


式5-式4 → (A+B+C+D)-(B+C+D)=107-92 よって A=15

式5-式3 → (A+B+C+D)-(A+C+D)=107-87 よって B=20

式5-式2 → (A+B+C+D)-(A+B+D)=107-77 よって C=30

式5-式1 → (A+B+C+D)-(A+B+C)=107-65 よって D=42

このタイプの問題では「式と式の差に着目する方法」と「すべての式を足す方法」のどちらでも考えられるようにしておきましょう。

4つの整数のうち3つの和なので、4つから3つを選ぶ、つまり \({}_4 \mathrm{ C }_3=\frac{ 4×3×2 }{ 3×2×1 }=4\) なので和が4通りになります。




(2)

4つの整数を小さい順に A , B , C , D とします。

4つのうち2つの和の問題では A+D と B+C のどちらが大きいのかがポイントになります。

まずは A+D が小さくて B+C のほうが大きいと仮定して式を立てます。

A+B=61 … 式1

A+C=63 … 式2

A+D=76 … 式3

B+C=79 … 式4

B+D=92 … 式5

C+D=94 … 式6

差に着目します。

式1と式2をくらべるとAにBを足して61 , AにCを足して63になっているのでCはBより 63-61=2 大きいことがわかります。


式4で B+C=79 なので線分図は下図のようになります。

B=(79-2)÷2=38.5

A~Dは整数でなければならないのにBが小数になってしまいます。

つまり最初の式がまちがえていたことがわかります。

正しい式は B+C が小さくて A+D のほうが大きいので次のようになります。

A+B=61 … 式1

A+C=63 … 式2

B+C=76 … 式3

A+D=79 … 式4

B+D=92 … 式5

C+D=94 … 式6

CはBより2大きく B+C=76 なので線分図は下図のようになります。

よって B=(76-2)÷2=37

C=37+2=39

D=94-C=94-39=55

A=61-B=61-37=24

4つのうち2つの和の問題では A+D と B+C のどちらが大きいか、はじめにわかりませんが、整数にならなければならないという条件から決定することができます。解けるだけではなく、このようにポイントが説明できるようにしっかりと理解しておきましょう。

この問題では「すべての式を足す方法」が使えません。実際にやってみます。

A+A+A+B+B+B+C+C+C+D+D+D=61+63+76+79+92+94

(A+B+C+D)×3=465

A+B+C+D=155

このように求められますが、そもそも A+B=61 , C+D=94 なので A+B+C+D=61+94=155 ということはすべての式を足さなくても簡単に求められます。そしてこの式をもとに考えても先に進むことができません。

4つの整数のうち2つの和なので、4つから2つを選ぶ、つまり \({}_4 \mathrm{ C }_2=\frac{ 4×3 }{ 2×1 }=6\) なので和が6通りになります。




(3)

4つの整数のうち2つの和なので、4つから2つを選ぶ、つまり \({}_4 \mathrm{ C }_2=\frac{ 4×3 }{ 2×1 }=6\) なので和が6通りになるはずです。

ただし和は5通りしかありません。つまりこの問題では A+D と B+C が同じということです。

つまり A+D=B+C=103 です。84 , 97 , 103 , 109 , 122

4つの整数を小さい順に A , B , C , D とします。

A+B=84 … 式1

A+C=97 … 式2

A+D=103 … 式3

B+C=103 … 式4

B+D=109 … 式5

C+D=122 … 式6

式1と式2をくらべるとAにBを足して84 , AにCを足して97になっているのでCはBより 97-84=13 大きいことがわかります。

式4で B+C=103 なので線分図は下図のようになります。

B=(103-13)÷2=45

C=45+13=58

D=122-C=122-58=64

A=84-B=84-45=39

まとめると、4つのうち2つの和の問題では A+D と B+C の大きさの関係がわかりづらく、同じになる場合もあるということになります。

例えば4つの整数を 1 , 2 , 3 , 4 とした場合も A+D=B+C=5 となります。

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