約数の個数を求める公式は必ず覚えておきましょう。
難関・最難関校志望の人はなぜその公式が成り立つのかというところまで深く理解しておく必要があります。
例えば60の約数について考えます。
60の約数を書き出すと 1, 2, 3, 4, 5, 6, 10, 12, 15, 20, 30, 60 の12個です。
これを計算で求めます。
60の素因数分解は 60=2×2×3×5=22×31×51 です。
※ 「22」は 「2の2乗(じょう)」と読みます。
約数の個数を求める公式は AP×BQ×CR×… のとき (P+1)×(Q+1)×(R+1)×… です。
よって 60の約数の個数=(2+1)×(1+1)×(1+1)=3×2×2=12個 と求めることができます。
なぜこの公式が成り立つのか60の約数をもとに説明します。
60=22×31×51 なので
2の約数グループは1を含めて 1 , 2 , 4 グループ① とします。
3の約数グループは1を含めて 1 , 3 グループ② とします。
5の約数グループは1を含めて 1 , 5 グループ③ とします。
この3つのグループから1個ずつ選んでかけ合わせてできる数が60の約数となります。
※例えば①から2 , ②から1 , ③から5を選ぶと 2×1×5=10 となり、約数の10を表しています。
つまり約数の個数は3つのグループからそれぞれ1個ずつ選ぶ選び方は全部で何通りありますか?ということなので
60の約数の個数=3×2×2=12通り(個) ということになります。
公式で 60の約数の個数=(2+1)×(1+1)×(1+1) のように「+1」をしているのは
それぞれのグループに「1」を含めるからです。
初めは理解しづらいかもしれませんが、この公式を活用しなければ入試本番の時間制限では解くのが難しい問題も出題されます。
「覚えておいた方がいい」というよりは「覚えておかなければならない」公式です。
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